今回の記事はグリーンイグアナの脱皮不全への対処です。
2022年7月14日から飼育を始め、最初の3ヶ月程度で処置を終えています。
今は日々脱皮不全を起こさないよう注意しつつ、乾燥気味なら温浴と保湿する程度です。
脱皮不全の予防は非常に簡単。
バランスの良い給餌と、たっぷりの紫外線。そして日々の観察。
これだけ。
とはいえ、イザというときにすぐ対応できる環境にしておく必要はあるかと思います。
今回は既に脱皮不全を起こしている個体への処置から始まる記事となります。
というわけで、購入当日の写真。
詳細は別記事に書いたので省略。
正直、どこから手を付けたもんかと途方に暮れました。
とりあえずパっと思いつくのが3項目あったので、方針を考えることに。
近づくとパニックになって暴れまわり、噛みついたりテールアタックしてくるのでちょっと危険。
このサイズなら怪我するほどではありませんが。
バランスの良い給餌&日光浴
実施はするけど、即効性はないので割愛。
というか別記事にします。
温浴
即効性はあるけど、人の姿を見るだけでパニックになるのであまりやりたくない。
が、放っておいてもどうせ死ぬのでストレスで寿命を縮めるかもしれないけどやることに。
幅・高さが35㎝くらいあるプラケースがあったので、とりあえずそれを使うことに。
38℃くらいのお湯を張り、イグアナを投入・・・したいけど、パニックのイグアナを制御できるはずもなく。
ガシッと掴んでプラケにポーーーイ!!!!そして蓋を閉める!!!!
しょーがねーだろ緊急事態なんだから。雑に扱っても。
写真はないです。そんな余裕などない。
イグアナという生き物は非常に単純で、温浴させれば代謝が上がり、まず糞尿が出ます。
そして脱皮皮がふやけ、剥け始めます。ある程度慣れてるイグアナなら、温浴させながら指で撫でることで大抵の脱皮皮は剥くことができます。
今回は大大大パニックイグアナなので不可能。やや長めに温浴させることに。
温浴終了後、またガシッと掴み1、2分で手早く向ける皮を剥き、ケージに戻す。
脱皮皮を剥くときは、ピンセットがオススメです。
普通の金属のピンセットは刺さったり、強く当たると痛いと思うので、赤ちゃん用のプラスチックのピンセットを使ってます。先が丸いやつ。
アリオンシェッド
温浴後は保湿。人間かよ。
アリオンシェッドは爬虫類向けの脱皮促進スプレーです。
見た目が怪しく、価格が高いので胡散臭い。実際買うの躊躇った。
いろいろ脱皮不全の症例を調べていたら、とある獣医がこれを使っているのを発見し、購入に至りました。
結果としては大正解。マジかよってくらい便利です。
最初はスプレーボトルで買いますが、まずこれが1本5000円程度。
2回目からは詰替え用で、これがボトル2本分で5000円くらいです。
イグアナ本体より高ぇじゃねーか!!!!
使い方は簡単で、生体に直接スプレーするだけ。
※尻尾を自切りするトカゲ(レオパなどのヤモリに多い)に噴霧すると、驚いて自切りしてしまう可能性があります。そういう生体の場合は、ケージ内にスプレーするようにしたほうがいいです。
めちゃくちゃ驚いて大パニックですが、イグアナは外傷以外での自切りの可能性はかなり低いので、大丈夫と判断。
・・・
凄い浸透率だ!
イグアナの皮膚は水を弾きやすいんですが、これは弾かれずにどんどん浸透していきます。
明らかに脱皮不全への処置としてはアリだなと、この時点で確信しました。
全身が濡れるくらい噴霧していいそうなので、ケージ温度を上げているのもありびしゃびしゃにしました。
毎日のケア
毎日温浴させる予定だったんですが、アリオンシェッドの浸透率が想像より遥かに良かった為、温浴は2、3日おきにすることに。
アリオンシェッドは毎日びしゃびしゃに噴霧。
1週間ほど続けたところ、脱皮不全を起こしている個所が明らかに浮いてきました。
ピンセットで擦ってみたところ、どうやら剥けそう。
とはいえ皮膚が突っ張って痛みを生じると思われたので、アリオンシェッドでふやかしながら時間をかけて剥がしました。
一気に全ての個所をとはいきませんが、1日1ヵ所ずつくらい剥けるようになりました。
黒く跡は残りましたが、腐り始めていたり出血することはないので一安心。
1ヶ月程度で全ての脱皮不全を解消できました。
今は特にケアをせず、たまに温浴(週1くらい)させてアリオンシェッドを噴霧してる程度です。
ここで気になるのはアリオンシェッドの消費量かと思います。
毎日噴霧してる時期は、1ヶ月で1本使い切りました。月5000円。
以降は全然減ってません。半年くらい経って2本目がもうそろそろなくなるかな?
イグアナ以外にもレオパのケージの保湿に使ってます。
平時のコストは非常に低いので、イザというときの為に持っておくのをオススメします。
脱皮不全の後遺症など
脱皮不全は最悪死に至る症状です。死ななくても手指や尾の脱落、出血、感染症などを引き起こす可能性があります。
ウチのイグアナも完全に無事とはいかず、いくつかダメージが残りました。
・皮膚の黒ずみ
脱皮不全を起こした箇所は皮膚が黒くなります。
健康的な脱皮を繰り返せば、いずれキレイになります。
・爪の脱落
おそらく指の脱皮不全が一番多いと思います。
ウチのイグアナは爪が1本抜け落ちてしまいました。
幸い根っこの部分は残っていたようで、少しずつ再生してますが、半年経ってもまだ爪が1本だけ短く、色も白いです。
・指の骨折
指の脱皮皮を剥がした際なのか、パニックで暴れているときに折れたのかはわかりませんが、前足の親指を骨折したようです。
親指が90度曲がってしまいました。
他の指に引っかかるので心配だったんですが、最近何故かまっすぐになってきました。なんで???
イグアナは握力がほぼなく、足腰の力と爪を引っ掛けることで行動するので、日々の生活で無理やり伸ばされた結果また骨折して偶然まっすぐ繋がったのかも。
見た感じ危険な雰囲気でもないので、特に何もしていません。
・尻尾の脱落
というと大げさに聞こえますが、尻尾の先っちょが5㎜くらい取れてしまいました。
再生が始まってから初めて気づいた程度。
再生してきた尻尾がちんちんみたいなので、むしろ再生しないで切れたままでよかったのに・・・と思ってます。
現在のイグアナの様子
まずは写真を見てください。
デブ!!!!!!!!
脱皮不全は完全に解消しました。
写真の脱皮皮は、正常な脱皮です。基本的には常にどこかしら脱皮が進行しています。
ヤモリや蛇のように、一気に全身が脱げるわけではありません。
腹のことはおいておくとして、クレスト(背中のトゲトゲ)も欠けずに残り、黒い跡も全て消えました。
強いて言えば2ヵ所くらい鱗の並びが乱れている部分があるかな?気になるほどではありません。
飼い始めの1ヶ月間、いきなり掴んでお湯に沈め、無理やり皮を剥き、水をぶっかけたりと雑に説明すると虐待みたいなことをしていたので、まだ警戒されています。
が、噛みつくことは全くありませんし、テールアタックもしなくなりました。
近寄っても逃げません。『嫌だなぁ~』って感じで上半身を突っ張って目を閉じます。
抱き上げようとすると逃げようとしますが、肩に乗せると落ち着くようになりました。
餌も手から食べるようになりました。面倒なので皿で給餌してますが。
最初の写真から半年ちょっとでここまで回復する生命力には驚かされます。
イグアナが脱皮不全を起こして困っている方へ
まずは落ち着いて、脱皮不全解消に使える予算を出しましょう。
自分でどうしようもできなそうであれば、最速で獣医さんに見てもらってください。
自分でなんとかするのであれば、1回15分程度の温浴(35~38℃程度)を毎日か1日おきくらいに実施。
そしてアリオンシェッドで保湿し、焦らず脱皮皮の除去をしましょう。
その際、指の脱皮不全を見逃さないようにしてください。
指や尻尾を巻くように皮が残っている場合と、爪の先を覆うように残っている皮は危険です。
ギュっと締め付けられて鬱血し、放置すると壊死して脱落します。
毎日ふやかし、少しずつでも刺激して除去してください。
もし出血したら消毒&止血。多少の怪我はすぐに治るので、パニックにならないように。
※当ブログで紹介した処置が全てのイグアナに適しているわけではありません。自分で判断が出来ない場合は、獣医さんに見てもらう方が良いです。絶対。
というわけで脱皮不全の話でした。
緊急性の高い症状ですが、すぐに行動すれば命は助かることが多いと思うので、慌てずにまずは方針を決めて対応しましょう。